介護中の転勤命令に無効の判決
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作成日時 : 2005/05/10 08:41
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5月9日神戸地裁姫路支部において、ネスレジャパンの姫路工場から茨城県稲敷市の霞ヶ浦工場への転勤命令を受けた2人の従業員から、介護や援助が必要な家族がいるのにもかかわらず、遠隔地への転勤を命じたのは不当として、地位保存と賃金支払いを求めた訴訟で、この転勤命令を無効とする判決があった。
転勤を含む配置転換については、判例においても企業に幅広い裁量権を事実上認めている。退職に追い込む意図といった「不当な動機・目的」や余程の「著しい不利益」がない限り、権利濫用とはなかなか認められない状況にある。
しかし、育児や介護を行う労働者に関しては、雇い主に対して、育児・介護休業法の第26条で「事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所を変更しようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育または家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育または家族の介護の状況に配慮しなければならない」とする配置に関する配慮義務が課せられている。
今回のケースは、原告が姫路工場で従事していた業務の廃止決定により、茨城県の工場への転勤か退職かの選択を会社が迫ったもの。原告の1人は妻が精神病を患っており、もう1人は母親がパーキンソン病のため要介護2の認定を受けており、家族の介護や援助が必要なため、姫路工場に残りたいと要求し、拒否され、給与の一部の支払を止められていた。
判決では、配置転換の命令自体は業務上の必要性があると認定した上で、従業員の転勤によって病気の妻や、介護が必要な母親の病状に悪影響を及ぼす可能性があると判断し、従業員に著しい不利益を与えるとした。さらに、上記の育児・介護休業法第26条の規定を示して、「遠隔地への転勤が難しい者を姫路工場内のほかの部署へ移す余地もあった」とし、会社側の配転命令は権利濫用で無効とし、未払い賃金の支払いを命じた。
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